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どうして人は死ぬの?


どうして人は死ぬの?


今日親友の美沙が死んだ。

私の相談に真剣に乗ってくれるぐらいいい子だった・・・。

どうして美沙が死ななきゃいけないの?


やさしい性格だからいじめられてた。

友達はたくさんいたけど、美沙のこといい子と思う人ばかりじゃなかった。

でも、逃げないで立ち向かっていく勇気のある子だった・・・・。




美沙が交通事故に遭ったと電話で聞いたときは自分の耳を疑った。

私はすぐに美沙の運ばれた病院に行った。

私がついたとき、美沙はもう手術室の中にいた。

「手術は無事成功しましたが・・・・・残念ながら助かる保証はありません。」

と、先生が言った。

私は美沙が死ぬわけないと自分に言い聞かせた。

美沙が意識を失ってから一週間が過ぎた。

私は美沙のお母さんに

「美沙を励ませるのはあなたしかいないから、美沙に会ってちょうだい。」

と頼まれて、集中治療室に入っていった。

今まで何度も入ろうと思った・・・・。

でも、入ったら美沙がどこか遠くに行ってしまうような気がして入れなかった。

それに私は「美沙は励まさなくてもこんなこと平気で乗り越えられる!迎えに行かず、ここで美沙が来るのを待っていれば美沙は必ず来る!」

そう信じていた。


集中治療室の中、

美沙は私が入ってしばらくしてから目を覚ました。


「・・・・こ・・・・・こ・・・・・・・・ど・こ・・・・?」

「え!?美沙大丈夫?」

「うん・・・・・なん・・・とか・・・」

「無理しちゃだめよ。」

「わか・・・・・った・・・・・・・・・」

「ここは病院、美沙トラックにひかれたの。」

「そ・・・う・・な・・の?」

「でも意識が回復したから、もう大丈夫よ。」

「・・・・お・・か・・・あ・・さ・・ん・・・・は?」

「今くるよ。」

「・・・・・・・た・・・・し・・・・」

「なぁに?」

「・・・わ・・た・・・・し・・・・やっ・・・ぱ・・り・・・だ・・・め・・・み・・た・・い・・・・・」

「美沙なに弱気なこといってんの!」

「・・・・・・・・・・・」

「美沙!?大丈夫!?」

そのとき美沙のお母さんと先生が消毒を終えて入ってきた。

「美沙!お母さんよしっかりして!」

「お・・・か・・・あ・・・・さ・・・・・ん・・・・・・」

私はただ励ますことしか出来なかった。

「美沙しっかりして!」

「・・いま・・・ま・で・・・・あ・・り・が・・・・・・と・・・」

美沙は最後の力でこう言った。

「さい・・・ごに・・・・・あえ・・・・て・・・・・・・よかった・・・・・・・」

ピーーーー

静かな部屋にその音だけが響き渡る。

その後先生は心肺蘇生をはじめたけど、美沙は戻ってこなかった。

ずっと遠いところに行っちゃった。

私は家に帰ったら、すぐに自分の部屋に行き、涙が枯れるまで泣いた。

「美沙どうして死んじゃったの?美沙がいなくなったら私、どうやって生きていけばいいの?」

一年前

お父さんが大手チェーン店の支店を任され、私は美沙の通っている学校に転校してきた。

両親は離婚して私はお父さんに引き取られたので、転校しなければいけなかった。

私は前の学校のほうが好きだった。

私のことを理解してくれる友達がたくさんいたから・・・・・。

でもこの学校で私を理解してくれるは美沙だけだった。


転校してきてすぐに、私はいじめの標的にされた。

わたしはいじめに耐えられず自殺しようと夜の学校の屋上にいた。

それを止めてくれたのは美沙だった。

「自殺なんかしちゃダメだよ!私がいつでもそばにいて助けてあげるから・・・・・」

もし、そのあとの言葉が無かったら私は今ごろ生きていなかったと思う・・・・。

「一緒に生きよう。」



そう、私には美沙以外友達と呼べる人がいなかった・・・・。

お父さんも私のことなんてどうでもいいみたいで、

家に帰ってきても何も話してはくれない・・・・・。


気が付くと私は、一年前に美沙と親友になった学校の屋上にいた。

このままここから飛び降りれば美沙と同じ場所に行ける・・・・・。


♪~~~♪~~~♪~~~


私が飛び降りようとしたその時、携帯電話が鳴り、メールが届いた。

「一緒にいられ なくてゴメンネ(汗

でも私がいなくなったからって、現実から目をそむけちゃダメだよ?

死んだら何にもないんだよ。

美沙は自殺を考えるくらい勇気があるんだから・・・・・、

いっそのこと1回死んだと思ってもう1回やり直そうよ、ねっ?

せっかく生きてるんだよ?死んじゃダメだよぉ~(涙

1回死んだと思えば、どんなことにも立ち向かっていけるよ!

「人は支えながら生きてる」

誰かが言ってたよね?

でも、

人は支えながら生きてくんじゃないよ。

お互いに支えてもらいながら生きてくんだよ。

少しの勇気で誰でも出来るんだよ?

一人ぼっちでさびしいのはあたりまえなんだから・・・・・、

自分の力で少し頑張れば、みんなちゃんと分かってくれるよ?

そりゃぁ中にはうまくいかない子も出てくるだろうけど・・・・、

みんなおんなじ人間なんだから、

いつかは分かってくれるよ!

だから生きて・・・・・・

お願い

・・・私の分まで

生きて・・・・・・


美沙より  」

メールを読み終わると、私の目からは涙が溢れ出てきた・・・。


数ヵ月後

私はまた学校の屋上にいた。

「美沙聞こえてる?今、私の周りにはたくさんの友達がいるの。

美沙が言ってくれたように、私頑張ったよ?

確かに私のこと分かってくれない子もまだいるよ。

でも私頑張る!

美沙の分までしっかり生きるよ!


それと美沙、私新しい発見をしたの。

人っていつ死ぬか分からないから、一日一日を大切にすごせるんだね?」

私は美沙に二回も助けられた・・・・。

だから、美沙の分もしっかり生きる。

生きることに意味はないのかもしれない。

でも、

ただ楽しく生きている。

これじゃダメなのかな?

人はどうして死ぬの?

もしかしたら人は楽しく生きるために死ぬのかもしれない・・・・・。




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